メッセージ
〈教授〉NY
卒業:自治医科大学医学部
出身:岐阜県
麻酔科を選んだ理由
学生時代は眼科医になろうと思っていました。当時は初期臨床研修制度がない時代でしたが、多科ローテート研修を行い、1年目の最初と2年目の夏に8週間ずつ2回研修しました。ほぼ全ての緊急手術に関わらせて頂き、臨床面でも学術面でも非常に多くのことを学び、手術全体を見渡す視野の広さと危機管理に対する対応する先輩麻酔科医の姿を見て、麻酔科を選択しました。
麻酔科医のやりがい・面白さ
周術期の司令塔としてリーダーシップを発揮する
麻酔科医は「時間軸の短い総合診療医」であると考えております。出生前の胎児から100歳超の高齢者まで、数百グラムの新生児から200kgを超える肥満患者まで対応します。各外科系診療科と術式についてディスカッションできる程度の勉強は必要です。意外と知られていませんが、高難度の手術を行うためには麻酔科医・手術室看護師・臨床工学技士など多職種のスタッフが協力しないとできません。麻酔科は他の診療科と比較すると独り立ちするのが早いのと同時に、比較的若いうちから当直中に手術室長代行として緊急手術の受け入れの判断を要求される状況を経験することになります。かつて指導医に「麻酔科医の能力が病院の緊急手術の受け入れ能力に比例するから、常に努力して知識を蓄え、技術を磨きなさい」と教えられました。麻酔科医はオーケストラの指揮者に例えられることが多いのですが、周術期の司令塔としてリーダーシップを発揮することが麻酔科医としての醍醐味だと思います。
聖マリアンナ医科大学麻酔科の魅力
普段は忙しいですが、オンとオフは比較的はっきりしていて、プライベートも充実させている先生が多い印象です。また本院と分院との交流が盛んなので、分院に派遣されていても疎外感はないと思います。
現在取り組んでいること
効率的手術室運営と医療安全
「手術及び麻酔を安全に行う」。
絶対安全な手術や麻酔は存在しませんが、それを限りなくゼロに近づけていくためにどうしたらよいかを常に考えております。“To Err is Human”(人は誰でも間違える)は、リスクマネージメントの世界ではよく知られている文言です。手術や麻酔は患者にとっては一大イベントであり、次の機会が訪れることがないことが望ましいのです。そのために必要なシステムを構築したり、教育方法を考えたり、デバイスを工夫したりなどについて取り組んでおります。
今後の目標・達成したいこと
「教育は国家百年の計」と故事にあるように、教育は大変重要であると認識しています。麻酔科専門医試験や周術期管理チーム試験に長く携わってきた経験をもとに、優れた麻酔科医を育てていきたいと考えています。
入局を考えている方へメッセージ
麻酔科専門医を取得にするのに単一施設で十分な症例を経験できます。良い医師となるためには、数多くの患者に接し、経験を積むことが最終的な近道であるといわれています。一方で長期休暇を取得しやすい環境であり、短時間勤務のバリエーションも豊富です。ともに勤務できることを祈っております。