メッセージ

〈助教〉佐藤 祐 [医学生実習担当]

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卒業:聖マリアンナ医科大学医学部
出身:千葉県

医学生へメッセージ

「ちょっと、麻酔科HPプロフィール用のメッセージ、原稿書いてないのあなただけだからね、今日は書き上げるまで帰るんじゃないよ!」はーい、すいませーん、今から書きマース・・・。と、いった感じで始まりましたこの原稿。さてナニカラカイテイイモノカ・・・。医局の雰囲気?それはもちろんいーですよ、何せこんな書き出しだし。

・・・では、これから医師になろうとする医学生へのメッセージとして、麻酔科の魅力について私見を交えてお話します。

ぼーっとしているように見えて、実はすごいことをしている人

私にとって臨床実習前、麻酔科医の第一印象は「手術中、覆布の向こう側でぼーっと座ってる人」でした。しかし、臨床実習で見学しているうちに、麻酔科医は「(当時の自分からすれば)実はかなりすごいことをしている」と思うようになりました。手術台の上の患者がいつの間にか入眠し、腹を切ってもバイタルが変わることなく、手術が終われば自然にそして速やかに覚醒し、痛みを訴えることもなく医師と会話に興じる。

そしてその時の患者の一言は「あれ、もう終わったんですか(もう数時間も経過しているというのに!)」。これは手術室に一人しかいない麻酔科医の力によるものです。まあ実際には残念ながらそうなり得ないケースも多々あるのですが、そうなるよう日々努めているのが手術室の麻酔科医です。今の自分からすればこれは麻酔科としての当たり前の仕事なのですが、当時はなんとプロフェッショナルな仕事かと思ったものです。

 

麻酔をかけることは全身管理であること。痛みや不安や侵襲、そして時間の感覚も患者から忘れさせること。「手術中、覆布の向こう側でぼーっと座って」いながら、いつの間にかこんなことをこともなげに行っていた麻酔科医。頭の中では患者管理のことを常に考えているのだということを知り、医療の中での麻酔科の立ち位置に惹かれるようになりました。

麻酔管理は全身管理

「麻酔管理は全身管理」。これ、医療従事者でない方はもちろん、医療従事者であっても、そして医学生の方々にもちょっと想像がつかないかも知れません。しかし、上記のような管理を行うためには、患者によって違う(乳児だって妊婦だってBMI40だって透析患者だっている!)はずの呼吸や循環、代謝といった生理活動を、手術内容(帝王切開とか開心術とか)によって変わるはずの生理活動を、手術経過(皮膚を切るときも出血性ショック時も)によって刻一刻と変わる生理活動を全て把握した上で、薬剤を、呼吸器設定を調節しなければなりません。そのためには、術前にはその患者のかかりつけ医と同じように容態を把握し、術者と同じように術式を把握しなければ管理できません。状態のわからない緊急手術であれば救急救命医と同じような知識が求められます。

なんかこーやって書くとすごいな麻酔科医。俺ここまですごくないぞ。

手術室の外でも活躍できる

今の私は手術室での麻酔や集中治療などへの関わりが仕事の中心でペインクリニックや緩和医療に多く関われているわけではないので、そちらの話はうまくできませんが、例えば人生において手術と同じくらい、そして手術と違い絶対に避けられない一大イベント、「終末期」においても麻酔科の担う役割は重要です。

正直、医学生のときから麻酔科医になることを視野に入れている方はあまりいないかと思いますが、せめてこんなイメージを麻酔科に持っていただけると嬉しいです。

どーです、いっしょに「麻酔」してみませんか?